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意見書・要望書の詳細情報

発案第1号 DV等被害者保護のため戸籍法改正等を求める意見書

議決年月日
令和3年3月16日
議決結果
(各会派の態度)
原案可決
自民党議員団 賛成
みなと政策会議 賛成
公明党議員団 賛成
共産党議員団 賛成 
都民ファーストの会 賛成
街づくりミナト 賛成
スマイル党 −
虚偽報道に負けない会 賛成

本文

 配偶者からの暴力(DV)、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者(「DV等被害者」という)については、市区町村に対して住民基本台帳事務におけるDV等支援措置を申し出て、「DV等支援対象者」となることで、加害者からの「住民基本台帳の一部の写しの閲覧」、「住民票(除票を含む)の写し等の交付」、「戸籍の附票(除票を含む)の写しの交付」の請求・申出があっても、これを制限あるいは拒否する措置が講じられます。
 ただし、現住所が記載されていない戸籍謄本については、本人の氏名や婚姻など身分関係の情報が記載されているにもかかわらず、DV等支援措置の対象外とされています。
 しかしながら、インターネットが急速に普及した現代においては、本人が自発的に情報を公開していなくても、SNSはもとより、国家資格の取得や就職先の企業のホームページで名前が載る可能性などもあり、住所がわからなくても氏名を検索することで、被害者の居住地や生活状況が特定される恐れがあります。
 戸籍謄本は、戸籍法第十条により、「戸籍に記載されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、その戸籍に記載した事項に関する証明書の交付の請求をすることができる」とされています。つまり、DV等被害者が、結婚したり改名したりしても、加害者が、被害者にとっての直系の親族等であれば、原則、本人同様に被害者の戸籍謄本を取得し、被害者の改名後の氏名や、現在の婚姻状況等についての情報を知ることができるようになっているため、加害者からの追跡を逃れることは困難です。
 このたび、港区議会は、区における戸籍事務処理において、本人からの被害者支援及び個人情報保護の要請に基づき、被害者の人権を最大限に尊重して、かなう限りの配慮を具体的に行うことを行政に意見しました。
 しかし、戸籍に関する事務は法定受託事務とされ、その事務処理基準は法務省が定め、市区町村は法令及び法務省の通達等に基づいて戸籍事務処理を行うものであることから、DV等被害者の保護の徹底を一地方自治体のみで対応することは困難です。また、地方自治体間の運用の違いで、その取り扱いに差異が生じることは望ましくありません。
 よって、港区議会は、国に対して、DV等加害者からの追跡を防ぎ、被害者の生命身体の安全及びプライバシーなど人権を守ることができるよう戸籍法改正等、法整備をも含めた国の実効的な対応を求め、各自治体への周知の徹底を強く求めるものです。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出いたします。


 令和3年3月16日
                     港区議会議長 二 島 豊 司


 衆議院議長
 参議院議長
 総務大臣
 法務大臣
 厚生労働大臣  あて

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