発案15第21号 性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会の実現を求める意見書
性同一性障害をかかえる人々は、医学的、心理的、社会的及び経済的にさまざまな問題を抱えております。
「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が制定され、関連の答申では、性同一性障害を有する者の差別を解消し、人権の擁護に資する事が謳われているにも関わらず、就職時や医療機関、公的機関においても、本人であることを疑われて無用に時間を要したり、不快な対応をうける等、具体的な対応が行われておりません。また、性同一性障害の治療のほとんどが保険適用外であり、当事者に重い負担をしいているのが現状です。
よって、港区議会は、政府に対して、性同一性障害を抱える人々のために、次の事項について求めるものであります。
一 戸籍の性別変更要件を緩和すること
一 公文書における性別記載の再考及び可能な限り削除すること
一 性同一性障害の治療に対する健康保険の適用及び診断並びに治療が可能な医療機関を拡充すること
一 住民基本台帳ネットワークからの性別欄及び性同一性障害を理由とした訂正履歴を削除すること
一 就職時や職場内での差別の禁止と職場における支援並びに不当解雇を防止すること
一 教育及び医療関係従事者、公務員等の性同一性障害に関わる人々への研修と育成をすること
一 性同一性障害を含む性的少数者に関する教育の充実と教育現場での当事者に対する理解と対応の促進をすること
右、地方自治法第九十九条の規定に基づき意見書を提出いたします。
平成十五年年九月三十日
港区議会議長 佐々木 義信
内閣総理大臣 総務大臣
法務大臣 文部科学大臣
厚生労働大臣 あて