発案19第18号 温泉施設の安全対策を求める意見書
健康、温泉ブームを背景に都心部では、地下から汲み上げた温泉水を利用した大型の温泉施設が相次いでオープンしています。 この温泉水には、 南関東一帯に広がる「南関東ガス田」といわれる地下数百メートルから千五百メートルにかけて海底に堆積した有機物が分解されてできたメタンガスを主成分とした天然ガスを含んでいます。
今回、渋谷区で起きた女性専用温泉施設の爆発事故も、この温泉水を使用した施設で、汲み上げた温泉水に含まれた天然ガスが地下室に充満し、爆発したもので、3人の命を奪う結果となりました。
現在、都内の源泉数は、144か所に達し、最近十年で55か所も増えています。区内においても5か所の温泉施設が営業しており、区民から今回の事故について不安の声が上がっています。
東京都は、平成17年に発生した北区の温泉掘削現場でのガス噴出事故後、独自に安全対策指導要綱を策定いたしました。しかし、この要綱においても、営業後の安全対策の規定はありません。
よって、港区議会は、国及び東京都に対し、利用者が安心して温泉施設を利用することができるとともに、施設の近隣住民が安心して暮らすことができるよう、次の対策を強く求めます。
一 国は、今回の事故原因を徹底的に究明するとともに、必要な法規制を含めた包括的な安全対策を早急に講じること
一 都は、温泉施設の実態調査を速やかに実施し、その結果を公表するとともに安全対策指導要綱を改訂するなど指導強化を図ること
右、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出いたします。
平成19年6月22日
港区議会議長 井筒 宣弘
厚生労働大臣、国土交通大臣、環境大臣、東京都知事 あて