発案21第7号 介護施設の整備促進についての意見書
本年3月19日に群馬県渋川市で県の認定を受けていない高齢者施設「静養ホームたまゆら」で火災が発生し、10名の方がなくなるという痛ましい事件が起きました。
被害に遭われた多くの高齢者は、東京で生活保護を受給しながら、この施設で介護サービスを受け生活していた高齢者でした。
現在の経済不況や雇用情勢の悪化により生活保護受給世帯は増え続け、また高齢者とりわけ単身高齢者の割合も増加の一途をたどり、身寄りがなく家族介護が期待できない高齢者や、加齢により身体機能が低下し自力での居宅生活が困難となる高齢者が増え続けています。
このような状況に適切に対応するためには、受入れ可能な施設や住宅の確保が必要となりますが、都内では、居宅での介護が困難でかつ低所得の高齢者等を受け入れてくれる施設が少なく、結果として地方や都内の住環境の劣悪な無届け施設などにその受け皿を求めざるを得ないという事態が生じています。
こうしたことから高齢者等が住み慣れた地域で安心して生活ができる受け皿づくりを早急に整備するための各種制度の改善や財政支援の強化を図ることが喫緊の課題と言えます。
よって、港区議会は、東京都に対し、老人福祉法に基づく未届け施設の実態把握や届出の徹底、既存施設の防火体制などの安全性の確保、高齢者の居住環境の改善に向けた対策を早急に講じるよう強く要望するものです。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出いたします。
平成21年6月19日
港区議会議長 井筒 宣弘
東京都知事 あて