発案22第16号 固定資産税の負担軽減を求める意見書
固定資産税が引き上がってきています。10数年前にも港区内のビルオーナーが立ち上がり、東京都に対して「高い固定資産税を引き下げよ」と不服申し立て運動が大きく取り組まれました。
その結果、固定資産税の小規模非住宅用地の2割減免、小規模住宅用地の固定資産税・都市計画税の減免、固定資産税の負担水準65%への軽減制度が実施されました。
この軽減策は、納税者の安定した生活の維持にとって極めて重要であり、減免制度が廃止されれば、小規模事業者等の経営や生活を一層、厳しいものにするとともに、地域社会の活性化、日本経済の景気回復にも重大な影響を及ぼします。
2008年秋のリーマンショック以来、地価の動向は下落幅が拡大し、不動産投資にも大きな影響を及ぼしているにもかかわらず、東京都は、2009年度に「税額が前年度の1.1倍を超える土地に対する固定資産税・都市計画税の条例減額制度」を新設しました。
「減額制度」との名称ですが、実際は税額を11%引き上げるための制度としか考えられません。
中小企業は、急激な円高によって今まで以上の厳しい経営を余儀なくされ、ビルオーナーにとっては、テナント空きが続けば、銀行ローンの返済に困窮する状況となります。
また、固定資産税は、算出方法が複雑で、公示価格の7割が評価額など実態と関係なく決められる仕組みにも問題があります。
よって港区議会は、東京都に対し、次の事項を実施するよう求めるものです。
1 固定資産税の小規模非住宅用地の2割減免、小規模住宅用地の固定資産税・都市計画税の減免、固定資産税の負担水準65%への軽減を来年度以降も継続すること。
2 平成23年度の固定資産税の賦課、税額決定に当たっては納税者の過重な負担とならないよう所要な措置を講じること。
3 平成24年の評価替えに当たっては、納税者が納得できる評価とすること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出いたします。
平成22年10月8日
港区議会議長 島田 幸雄
東京都知事 あて