発案23第21号 定期接種に関し、早期に国の制度確立を求める意見書
子宮頸がん予防ワクチン等の3種のワクチン接種緊急促進事業は、平成22年度補正予算成立の11月26日から平成23年度末までの時限措置として実施されてきましたが、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンについては一時停止時期があり、また、子宮頸がん予防ワクチンについても、当初、供給不足が発生するなど接種時期の問題もあり、当該対象者に十分行き渡ったとはいえない状況です。
また、VPD(ワクチンで防げる病気)として、上記3種のみならず、水痘など多くの疾病に対するワクチンは、欧米では公費接種として認められているところであり、本来はこのような短期の臨時事業で終えられるものではなく、継続して公費負担で実施されることこそが国民の健康維持増進に大きく力を発揮するものと言われています。
既に厚生労働省の予防接種部会では、これらのVPDワクチンについてのワクチン定期接種化と日本の予防接種体制の改善を求め、法改正も提言されています。
医療現場においては、子宮頸がん予防ワクチン接種が既に平成23年度内には公費で3回接種できない段階に入っており、次年度以降の公費負担の取り扱いについて、早急な判断を求める声が上がっています。
よって、港区議会は政府に対し、地元自治体に負担をかけることなく、国の財政負担を明確にしたうえで、早期に下記の制度を確立するよう強く求めるものです。
1 子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンについては、定期接種化までの間の臨時促進事業を継続すること。
2 高齢者に対する肺炎球菌ワクチンを含むVPDに対する公費定期接種の継続及び拡大を図ること。
3 安心して平等に受けられる予防接種体制を確立すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出いたします。
平成23年12月9日
港区議会議長 菅野 弘一
内閣総理大臣
厚生労働大臣 あて