発案02第1号 加齢性難聴者への補聴器購入に対する公的支援を求める意見書
我が国の総人口に占める65歳以上の割合は28パーセントを越え、日本は超高齢社会を迎えています。そのような状況の中、加齢による難聴者、いわゆる加齢性難聴者が増加しており、高齢者の社会参加への障壁となっています。
加齢性難聴は、他者からの情報や想いを受け取ることを困難にし、コミュニケーションを取ることができず社会的に孤立させる原因となり、脳の機能の低下につながり、認知症や、うつの原因になると考えられています。
しかし、聴覚は他者からの情報や想いを受け取り、人と人とのコミュニケーションを支える重要な機能であり、誰もが、いきいきと生活するための支えです。
加齢性難聴への対策として補聴器の使用が挙げられますが、難聴の状態は一人ひとり異なるため、補聴器を適切に、かつ、効果的に使用するためには補聴器相談医への受診、補聴器の購入後も専門知識を持つ認定補聴器技能者との調整が必要となります。また、補聴器の価格は片耳当たり概ね3万円から20万円と高額で、かつ、保険適用ではないため全額自費となることから助成が必要となります。
高齢者が加齢性難聴になっても、生活の質を落とさず、心身共に健やかに社会参加するための補聴器購入に対する公的支援が求められています。
よって、港区議会は政府に対し、下記の事項を強く求めるものです。
記
1 補聴器相談医や認定補聴器技能者の育成支援を行うこと。
2 補聴器を必要とする人が、適切な補聴器を購入し、継続して使用できる仕組みづくりと購入費用の助成を進めること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出いたします。
令和2年3月17日
港区議会議長 二 島 豊 司
内閣総理大臣、財務大臣、総務大臣、厚生労働大臣 あて