発案03第2号 高輪築堤に関する意見書
港区三田三丁目及び高輪二丁目所在遺跡(高輪ゲートウェイ駅周辺の遺構のいわゆる「高輪築堤」)は、平成8年に指定された国指定史跡「旧新橋停車場跡」の延長線上にあり、港区として極めて重要な文化財と考えて、区は、東日本旅客鉄道株式会社(以下、「JR東日本」という)に対して、現地で末永く後世に継承されるよう要望しております。
港区議会としても、高輪築堤遺跡は、港区にとって重要な遺構であるばかりでなく、わが国の歴史上も、また、世界史上も極めて重要な近代化遺産であり、日本全国、あるいは世界各国からも誰もが自由に訪れることのできる遺跡として公開され、将来に継承し、活用していかれるよう働きかけていきたいと考えています。
国においても、本年2月16日に萩生田文部科学大臣が現地を視察し、遺構の保存方策について、JR東日本と港区との協議などを踏まえながら丁寧に議論し、開発と保存を両立させながら、貴重な文化遺産を現地で保存・公開できるよう検討を求めました。
一方、平成26年6月に新駅開業計画が発表されて以降、約50年ぶりとなる山手線新駅の開業や車両基地跡地を活用したまちづくりに対する地域の期待もあり、高輪築堤が出土したことにより、当該地域のまちづくり のスケジュールが大きく遅れ、心配される声もあります。
日本近代化の象徴とも言える高輪築堤が、将来にわたって地域の価値を一層向上させる貴重な財産として保存・公開されることは、周辺地域の発展にも大きく寄与するものとなります。
よって港区議会は国に対し、下記の事項について強く求めるものです。
記
1 早急に文化財保護法による史跡として指定し、調査・保存・公開に向けた知見・技術などの情報提供を行うこと。
2 国としての全面的な支援を積極的に行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
令和3年3月16日
港区議会議長 二 島 豊 司
文部科学大臣
国土交通大臣 あて