発案04第4号 子育て支援策に係る所得制限の撤廃・子どもへの直接的な支援の拡充を求める意見書
厚生労働省が発表した令和3年の出生数は81万1,622人で、6年連続で過去最少を更新しました。少子高齢化という国難に取り組むため、令和元年10月から幼児教育・保育の無償化が開始されましたが、出生数の減少に歯止めがかかっていません。そうした中、国や自治体が実施する子育て支援策には所得制限が設けられているものが多く、支援の対象から外れてしまう子どもが多くいる現状があります。
「令和3年度子育て世帯への臨時特別給付金」では、児童手当の所得制限に準拠し実施され、港区においては全体の約55%、23,000人余りの児童には支給がされませんでした。
加えて児童手当に関しては、令和4年10月支給分より、所得上限限度額以上の世帯の特例給付が廃止されることが決定しています。
また、幼児教育・保育の無償化、障害児福祉手当、高等学校等就学支援金制度や高等教育の修学支援新制度の各種支援策のいずれにおいても所得制限が設けられています。
内閣府の「令和4年版少子化社会対策白書(令和3年度少子化の状況及び少子化への対処施策の概況)」では、夫婦が理想とする子ども数を持たない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が最も多くなっています。我が国の将来を担う子どもたちにしっかりと予算を割いていくことは、未来に対する投資であり、親の所得にかかわらず、全ての子どもが平等に扱われるべきです。また、そうすることが誰もが子どもを産み育てやすい社会の形成につながり、出生数の改善にも寄与するものと考えます。
よって、港区議会は国会及び政府、並びに東京都に対し、児童手当をはじめとした各種子育て支援策に係る所得制限を撤廃し、子どもへの直接的な支援を拡充することを強く求めるものです。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出いたします。
令和4年10月6日
港区議会議長 ゆうき くみこ
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣(少子化対策)
東京都知事 あて