発案05第2号 新型コロナウイルス感染症の後遺症の方々の日常を守る取組の強化を求める意見書
新型コロナウイルス感染症の罹患者の中で、疲労感・倦怠感などの罹患後症状、いわゆる後遺症を訴える方が増えています。実際に、関節痛、筋肉痛、息切れ、記憶障害、集中力低下、睡眠障害などにより、仕事や学業の継続が困難になる方も多いと言われています。
後遺症は社会生活上、非常に影響が大きく、例えば、子どもの場合は自分から症状を訴えることが難しいため、怠けていると捉えられてしまうおそれもあります。
感染拡大から3年が経過し、新型コロナウイルス感染症への向き合い方も変わる中で、後遺症に悩み生活に大きな影響を受けている方々の治療等の確立は大変に重要な課題であります。
よって、港区議会は、政府に対して、新型コロナウイルス感染症の後遺症の方々に寄り添い、一人ひとりの日常を守るために、下記の事項について積極的な取組を求めるものです。
記
1 新型コロナウイルス感染症の後遺症の発生状況について、類似した症状がみられる筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)との関連も含めた、実態調査を推進すること。
2 一部医療機関で実施されている、Bスポット療法(EAT:上咽頭擦過療法)等の検証を進めること。治療の標準化により、後遺症に対応できる医療機関や相談窓口を拡充すること。
3 自己免疫疾患との関連など、新型コロナウイルス感染症による後遺症の原因究明と新たな治療法の確立に向けた研究予算を確保すること。
4 国は地方自治体に対して、新型コロナウイルス感染症の後遺症の発生状況や調査研究の推移などを、随時、情報提供するとともに、地方自治体の相談窓口等において、エビデンスに基づく統一した対応が取れるように、相談対応マニュアルの整備を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出いたします。
令和5年3月10日
港区議会議長 ゆうき くみこ
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて