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令和8年第1回定例会
令和8年2月20日 (本会議)
一般質問 池田 こうじ(自民党議員団)
1 総合支所再編を踏まえた区長の組織マネジメントの資質及び在り方について
今回の総合支所再編の進め方は、方針決定が先行するトップダウン型の弊害を示している。
区長による方針決定が先行し、関係団体との調整を一切経ないまま議決に至り、その後に職員及び区民への説明が行われた結果、分断や戸惑い、混乱が生じている。町会代表から説明責任を果たすべきとの請願が提出されていること自体、現場や地域との十分な相互作用が図られていなかったことの表れである。
計画(Plan)を先に固定し、その後に調整や検証を当てはめる従来型のPDCA型行政の限界が露呈しているのではないか。変化の激しい行政課題に対応するには、現場を観察し、判断し、修正を重ねるOODAループ的思考が重要である。
組織を束ね、人材育成や管理職マネジメントを行うには、実務経験や経営的視点の蓄積が不可欠であるが、今回の意思決定過程を踏まえると、区長の組織マネジメントは昭和型のPDCAによる管理統制の延長にとどまっており、経営資質そのものが問われている。
港区では、かつてOODAループ思考の導入を目指し、研修の試行をしてきた経緯があるが、区長就任以降、その流れは実質的に途絶えている。
これらは単なる手法の問題ではなく、港区の自治体経営を担うトップとしての組織マネジメントの資質そのものの問題である。
区長の自治体経営の基本姿勢、及び現場と意思決定をどのように接続していくのかについて問う。
2 本庁人材集約及び箱物活用の前提としての基本認識の整理と、「人材戦略本部」及び「戦略研修センター」 設置を含む課題解決に向けた対案について
ア 人材不足や育成力の弱さを重大な課題と位置づけながら、来年度予算にはそれを抜本的に改善する具体的な人材戦略や重点的な予算措置が十分に示されていない。課題認識と施策構成の間に乖離があるのではないか。
具体的な戦略が示されないまま、本庁人材集約や多額の財政負担を伴う箱物活用を進めることは、順序を誤っていると言わざるを得ない。
まずは、採用・配置・評価・育成を一体的に設計する人材戦略を構築すべきである。女性管理職に限らず、全ての管理職が働きやすい環境づくりを進めることも重要である。
その課題解決を明確に推進していく機関として「人材戦略本部」を設置し、その実行機関として「戦略研修センター」を設け、人材戦略を大胆に先行させることを提案する。
人材戦略に対する区長の基本認識及び具体的な実行方針について問う。
イ 人材戦略を最優先課題として位置づけるため、現行の再編計画については拙速に進めるのではなく、区民及び現場職員の意見聴取並びに議会での十分な審議の期間を確保する観点から、実施時期を1年程度延期すべきと考えるが、区長は自らの責任において判断する考えがあるか。
3 港区における高齢者施策の推進と安全性の担保について
昨年度の所信表明において高齢者施策への言及が限定的であることを指摘したところであるが、来年度、高齢者施策推進担当課長が設置されることは一定の前進として評価する。
しかしながら、来年度予算を俯瞰する限り、都心港区における高齢者の生活実態を踏まえ、居住・生活支援・医療・介護・見守りを一体として再構成する包括的な政策体系が明確に提示されているとは言い難い。
とりわけ、子ども支援が大項目として掲げられている一方で、高齢者施策が「年齢にかかわらない支援」という枠組みの一項目に整理されていることにより、高齢者固有の課題が政策の中心として立ち上がりにくく、結果として重点化や十分な予算措置につながりにくい構造となっている。
さらに、安全対策についても指摘する。
熱中症対策として飲料配布や在宅見守りが示されているが、心不全や腎機能障害等により水分・塩分摂取に制約のある高齢者も存在する。水分管理は医療判断と密接に関わる領域であり、本来、医師の管理下で慎重に扱われるべきものである。
医師会等との制度的調整、医学的プロトコルの整備、非医療職に対する研修体制、緊急時の医療連携体制などが十分に示されないまま施策が先行していることについては、医療安全上の懸念を抱かざるを得ない。
限られた財源の中で何を政策の柱として位置づけるのかは、港区政の経営判断そのものである。
今後、高齢者政策をどのような体系として再構成し、どの分野を重点化し、どのような工程で推進していくのか。
また、熱中症対策を含む高齢者施策全般について、医療的知見との制度的連携をどのように確保し、高齢者の命の安全性を担保していくのか。
区長の認識を問う。
4 港区こどもまんなか宣言が掲げる児童虐待根絶に向けた包括的施策の実効化と、児童相談所設置自治体にふさわしい社会的養護体制の構築について
港区こどもまんなか宣言において児童虐待根絶が掲げられているが、来年度予算からは、既存施策を超える構造的転換や体制強化が十分に読み取れない。宣言が実効性ある制度へと昇華しているかについては疑問が残る。
港区においても、虐待の未然防止、早期発見、保護、措置後の社会的養護、自立支援までを一体として制度設計する必要がある。
児童養護施設や地域小規模児童養護施設の誘致・整備、並びに社会的養護自立支援拠点事業の積極的活用を含め、児童相談所を有する基礎自治体として、その責務を明確に自覚する必要がある。
児童虐待根絶に向けた包括的かつ構造的な体制再構築を主体的に進める意思があるのか。
区長の明確な認識を問う。
5 その他